脳梗塞と片頭痛の関連性

脳梗塞と片頭痛の関連性

「頭痛があると将来、脳の病気になりやすいと聞きました」
患者さんから最近、このような質問をされることがよくあります。

実は数年前に海外から、閃輝暗点など、前兆の起こる片頭痛の患者さんでは脳梗塞を発症するリスクが高くなる、という研究報告が出ました。日本でも厚生労働省が調査を行い、片頭痛患者さんの脳梗塞が、一般の人に比べ若年で起こる(39歳までに起こる人も10%以上いる)というデータを出しました。

このことから、頭痛をお持ちの患者さんはかなり、不安になられたようです。しかし、結論からいいますと、最近はこの報告に否定的なデータも登場しており、明らかにはなっていません。専門家の間でも議論されているところです。
脳梗塞発症が高くなるという大きな理由のひとつに、片頭痛で起こる血管の収縮と拡張が考えられています。血管への炎症を繰り返すと、血管の損傷が起こりやすくなるためではないかといわれています。

確かに、私の患者さんでも、前兆のある片頭痛の方で、脳梗塞や脳内の損傷である深部白質病変(いわゆるかくれ脳梗塞)をMRIで認めることが多くなっています。しかし、この脳の変調が先に起こっているのか、頭痛が先なのかということはわかりません。
例え関連性があるとしても、片頭痛をきちんと治し、発作回数を減らせば、リスクはぐんと低くなるわけです。また、脳梗塞に対しても治療薬がありますので、必要以上に深刻になられる必要はありません。

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