ピルと薬物乱用性頭痛の関係性

ピルと薬物乱用性頭痛の関係性

月経前緊張症とピルの問題

さて、エストロゲン性頭痛の方に注意していただきたいのがピル(経口避妊薬)の服用とタバコです。近年、低用量ピルが普及しており、避妊のためだけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫、PMS(排卵から月経開始までの時期にあらわれる身体的・精神的不快な症状)のために産婦人科でピルを処方されているケースは少なくないようです。

実はピルの副作用に頭痛があることはあまり知られていませんが、片頭痛の人が服用して、頭痛が悪化してしまったというケースは意外に多く見受けられます。ピルはホルモン剤であり、エストロゲンも含有されているので、当然といえば当然です。
子宮内膜症や子宮筋腫の場合、病気の悪化によるトラブルも比較的大きいので、必要に応じてピルを服用しなければならないことはあると思います。しかし、注意したいのはPMSです。

PMSにはお腹の張りや乳房の張り、めまい、便秘、そのほか、うつ傾向などさまざまな症状が起こりますが、この中には頭痛が強く出る人もいます。そのような場合はピルではなく、最初から頭痛外来に行って、頭痛の治療を優先させるべきでしょう。
中にはピルを処方し、頭痛が起こったら解熱鎮痛剤を飲むように指示する医師もいるといいます。これでは薬物乱用頭痛を引き起こすことになりかねません。この点を十分に注意してください。さらに前兆のある片頭痛と喫煙が合わさると、高頻度に脳に血栓症が発生しやすく、ピルの使用は禁忌になっています。

片頭痛は男性にも増えている

女性にも男性ホルモンがあるように、男性にも量は少ないですが、女性ホルモンは分泌されています。当然ながら、男性にも片頭痛の人はいますし、私の実感では、むしろ、年々、増えているように思われます。これは、最近よくいわれる男性の女性化と無縁ではないでしょう。
こうした男性患者は、見た目もスマートでとても優しそうな雰囲気を持っている、いわゆる「草食系男子」です。ホルモンの分泌は食事や運動、ストレスなどさまざまな要因に左右されます。こうした男性たちのホルモン値を測定したら、エストロゲンの分泌量が意外に多いのではないかと思われます。
いずれにしても、注意したいのは、一般的に「片頭痛は女性のもの」という先入観が強いせいか、こうした男性が来院しても、「緊張型頭痛」と診断してしまう医師が多いということです。頭痛持ちの男性は自分の症状を詳しく医師に話すことをおすすめします。

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